チェンナイから海沿いの幹線道路(ECR)を、50kmほど南下したところにあるマハーバリプラム(Mahabalipuram)。
ビーチ沿いには外資系の高級ホテルが立ち並ぶリゾート地でありながら、7世紀頃はパッラヴァ朝の主要港として栄えた歴史ある町です。
パッラヴァ朝時代に建てられた寺院やレリーフは今も遺されており、1984年に世界遺産に登録されました。
この記事では、世界遺産に登録されている遺跡群のうち、「ガンガーの降下(Descent of the Ganga)」を含む数々の遺構を紹介します。
↓その他の遺跡についてはこちら↓
海岸寺院(Shore Temple)
ファイブ・ラタ(Five Rathas)
目次
アクセス
バススタンド脇の路地から、西に数分歩いたところにあります。
大きな公園のようになっていて、メインの遺跡である「ガンガーの降下」は公園の外から見ることができます。
入場料
「ガンガーの降下」自体は、入場料を払わなくても見ることができます。
ただし、公園内にある他の遺跡群を見学するには、入場料を支払う必要があります。
入場料は、外国人料金で600ルピーでした(2022年4月現在)。
PANカード(インドでの納税証明書)は使用できませんでした。
5年ほど前のガイドブックでは250ルピーと掲載されているので、かなり値上げされています。今後も値上げがあるかもしれません。
なお、この入場料は、他の遺跡への入場料も含まれています。
もらったチケットは無くさないようにしましょう。
ガンガーの降下
「アルジュナの苦行(Arjuna’s Penance)」とも称されています。
幅30mほどの岩壁に緻密な彫刻が施されており、圧倒されます。
石彫レリーフとしては、世界最大規模だと言われています。
このレリーフが表しているものには2種類の解釈があり、そのため異なる2つの呼び名で呼ばれています。
1つ目の解釈は、女神ガンガーがこの世に降りて来た時の場面を描いたとするもの。
2つ目は、インドで圧倒的な人気を誇る叙事詩『マハーバーラタ』に登場する「アルジュナの苦行」を表しているとするもの。
クリシュナ・マンダパ(Krishna Mandapam)
ガンガーの降下の隣には、同じく世界遺産の「クリシュナ・マンダパ」があります。
岩窟内に彫られたレリーフで、やや風化が見られるものの、美しいレリーフを観察することができます。
パンチャ・パーンダヴァ・マンダパ(Pancha Pandava Mandapa)
ガンガーの降下とクリシュナ・マンダパの間にあります。
こちらの遺跡も、岩窟内に彫られたものです。
内部は未完のまま放置されている箇所もあり、興味深いです。
未完の遺跡
マハーバリプラムの遺跡群の多くは、石窟から石彫を経て、石造へと至る過渡期に建造されています。
そのため、未完のまま放置されている遺構も数多くあります。
灯台
公園内には、赤い屋根の灯台もあります。
頂上からの見晴らしは良いですが、別料金がかかる上、中は混雑しています。
クリシュナのバターボール(Krishna’s Butter Ball)
遺跡ではありませんが、マハーバリプラムを代表する観光スポットです。
バターが大好きなクリシュナという神様が持っている壺に形が似ていることから、このような名前がついています。
大きな丸い岩が、岩山の斜面で絶妙なバランスを保っています。
スパッと切り落とされたような形状といい、絶妙なバランスといい、何とも不思議な大岩です。
かつて象で引っ張ってもビクともしなかった、という言い伝えが残されています。
まとめ
マハーバリプラムにある、「ガンガーの降下」とその他の遺跡群の紹介でした。
未完の建造物がそのまま遺されているのが、何とも趣深いです。
また、クリシュナのバターボールで記念撮影を行うのも、マハーバリプラム観光の定番です。