タミル・ナドゥ州南東部に位置するターメーシュワラム(Rameswaram)は、ヒンドゥー教の聖地としても有名で、インド中から巡礼客が訪れます。
旅行中、たまたま奇祭に遭遇したので、その時の様子を書きます。
※タイトルにある通り、「痛い」祭りです。
体を傷つけるシーンがあるため、そういうものが苦手な人はそっと他記事に移動しましょう
参考>>ラーメーシュワラムの安宿レビュー
参考>>ラーメーシュワラムの観光情報
ぼくがラーメーシュワラムを訪れたのは、北インドがホーリーで賑わう日でした。
ちょうど同じ日にラーメーシュワラムでもお祭りが行われていたのですが、ホーリーとは全く関係がないようです。
町の中心であるラーマナータスワーミ寺院の周りには飾り付けがされ、人でごった返していました。
山車なんかもあったりして、島全体がお祭り騒ぎでした。
ヒンドゥー教では、上裸が正式な格好のようです。
さて、島内を散策している時に、衝撃的な光景を目撃します。
まずは動画をどうぞ。
陽気な楽隊がやって来て、「山車とか行列とかなのかな」と呑気に眺めていたのですが、歩いている人を見ていると違和感があります。
よく見てみると、両頬を貫くように細長い鉄の棒が刺さっているのです。
はじめは、手品で見るような、両頬にそれぞれくっつけただけのトリックかと思っていましたが、歩いている人はかなり辛そうです。
やはり、本当に矢が刺さっているのです。
後ろのアングルから。
平気そうな人もいますが、意識が朦朧としている人もいます。
周りの人は水を飲ませてあげたり、太ももや肩をマッサージしてあげたりして、サポートしています。
矢を刺した人の年齢層は様々で、ぼくの見た限りでは、女性も一人だけいました。
20代くらいの若い男の人が多いようです。
これに選ばれることは名誉あることなのか、あるいは何かの贖罪なのか、人選の基準はよくわかりませんでした。
遠目からですが、矢を刺すところもたまたま目撃してしまいました。
刺される人は暴れるのを防ぐためか、山車に体を縛り付けられ、しっかり固定されます。
刺すときは一瞬です。
手慣れた人がやるのか、一瞬で頬を貫通します。
矢が刺さる時は、本人も含めて、周りはトランス状態になっています。
まさに神がかった状態で、異様な雰囲気に包まれています。
一晩中、お祭り騒ぎでした。
あまりの強烈なパワーに圧倒され、その日の夜、微熱を出してしまいました。
翌日の早朝、沐浴場に行ってみましたが、前日の喧騒が嘘のように穏やかな朝でした。
ラーメーシュワラムは島なので、とにかく湿度が高く、滞在中は正常な思考が働かないような感じがしていました。
聖地とされるだけあって、目に見えない独特なパワーが充満しています。
たまたま奇祭に遭遇してしまい、トランス状態の人を何人も見たということもありますが、別の世界の境目に来てしまったような印象が残っています。